2017.03.23 Thursday

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    2009.03.22 Sunday 16:24

    青山娼館/小池真理子

    • Author : R
    • 0
      評価:
      小池 真理子
      角川グループパブリッシング
      ¥ 620
      この人の作品は基本的にあまり好きじゃありません。
      そして、好きじゃないのに読んでしまう作家の一人でもある。
      でも、この作品は別です。

      「娼館」といえば、文字通り、娼婦の館のこと。
      でも、この作品は下卑た作品では一切なく、ただ一重に「美しい」。

      最愛の人を失った人々の慟哭、救い、強さ、生。
      繊細なガラス細工のように見えても、触れてみれば、ダイヤモンドよりも硬く、そして、美しい。

      人間は誰しも孤独で、一人で生きていくことは難しい。
      それでも、人は一人で生きていかなくてはならず、人生は厳しく、辛く、険しい。
      人はどこまで、一人で耐えらるのだろうか。

      例えば、最愛の人を失ったら?
      暗く、荒廃した地獄の底で何を見出すのか。

      類稀なる強靭な精神で地獄の底から一人這い出してきた人々。
      そして、同士と出会う。
      愛や恋、人間として、そんなものを超越した、ただ好き。
      存在が好き。深いつながり。どんなことがあっても、つながっていられる。

      愛を信じられる人、信じられない人。
      そんなことすら、どうでも良い。
      信じる、信じないの話ではない。

      もしかしたら、それは愛とはまた別種のものなのかもしれない。
      言葉として一番近いものが『愛』であるだけで。

      人の心、愛のはかなさを口にする、マダム・アナイス。
      「男と女が本当の意味で揺るぎない対等の関係でいられるのは、性をお金で売ったり、買ったりする時だけ」
      「情熱は本来、流動的なものよ。仕方のないことだわ。だからこそ、恋をすると人の気持ちは千々に乱れてしまう。一糸乱れずの恋なんてあり得ないの」

      クールすぎるほどクールで、でも何かを知っている強さがある。
      そう、一糸乱れずの恋は、お金がかかる、これはいわゆる現金だけではないと思う。
      いつもデートで高いレストランでの食事を求める女性(モチロン、全額男性モチ)も同じこと。体を提供する女の多くは、知らず知らずの内に対価を要求するのだ。
      自分にいくらお金をかけられるかで、愛情の大きさを測る女性も多い。

      私は一体、どれだけ一糸乱れずの恋をしてきただろうか。
      世の中にこの類の恋が多いことも知っている。

      でも、そんなものは本当は無意味。
      一糸乱れず、キレイに恋したところで何か良いことがあるだろうか?
      そんなものは、ただの自尊心を満たすことでしかない。自己満足。愛とは程遠い。

      乱れようが乱れまいが、恋は恋。
      キレイに恋することに努力するなんて、意味がない。

      多分、一週間前の私だったらこの小説は「面白かった」で終わっていただろう。
      でも、今の私は違う。
      この本を買った時「何で今この本を買ったんだろう。そんな気分じゃないのに」と思った。けど、結局は、本好きの嗅覚がなせる業だったということになります。

      一糸乱れずの恋愛のくだらなさに気付いたばかりなのでね(笑)
      そう思わせてくれる人と出会えたことに感謝している最中です。
      まぁ、どうするかは相手に一任しているのでわかりませんが、少なくとも、私の恋愛感はガラリと変わった。根底から覆され、そこから、恋愛だけでなく自分の生き方のスタンスそのものに疑問を持ち、過剰に肥大化した「自尊心」が見事に潰された。

      まぁ、自尊心が肥大化している時点で、自信のなさの裏返しみたいなもんですけどね。
      プライドでもなんでもない。単に傷つくのが怖い臆病者です。

      そして、結果はどうあれ、良い人に出会えたこと、そのこと自体に感謝する。
      そんな謙虚な気持ちになれているのです。

      彼は、「出会いは必然」と言っていた。
      そして、この小説の中でも、主人公の奈月は言う。
      「偶然、も、運命、もない。あるのは必然だけである。そう。ものごとはすべて、必然の中にある。人は目に見えない必然の中に誕生し、生き、死んでいく。わたしたちの人生の途上、起きるできごとの数々は、微細な無数の法則が絡まり合い、機能し合った結果、引き出される当然の帰結なのだ」

      私にとっては、明確な必然になっているけれど、彼にとって私はどんな必然なんだろう。

      全部を読んだわけではないですが、小池真理子さんの作品の中では文句なく、
      私の一番です。オススメです。


      JUGEMテーマ:読書



      2009.02.01 Sunday 19:11

      超バカの壁/養老孟司

      • Author : R
      • 0
        かなり今更な感じだけれども…必要性で読みました。
        後進指導のために、読むように頼まれました。
        ちょうど読むものがなかったので、半分自分の意志でもありますが(笑)

        『バカの壁』は、発売日当日くらいに買って読んだ。
        こういうものは、一冊で終わるべきだと思うんだけど、なまじベストセラーになったので、出版社の二番煎じというか、あわよくば、な感じがあって、ちょっと好きになれない。

        『バカの壁』は面白かったけれど、これはちょっとなぁ。
        エッセイ集みたいなもんです。養老先生の若者に対する説教みたいなものか。
        共感するところと、ちょっとそれは極論では…と思ってしまうところが半々くらい。
        結構、強い語調で言い切るので、若干引いちゃったり。

        若者がコレを自分で選んで読むなら良いけれど、人に言われて読むものではないかもね、
        と思ってしまった。
        学校とか、会社とかでわざわざ、コレを若者に勧めないように。
        押し付けがましい人だと思われかねない。

        こういうことって、多分、大人だから気付く。
        リアルで若者な人は、分かったような気にはなるかもしれないけど、こういうことは後で分かる。言ってしまえば、人に言われて気付くようなことじゃないんだよね。
        大人になって読んで、共感する。それで、自分の成長を感じ取るものだろうな、と思う。

        若い人への説教は、私もする。
        けれど、今分かってもらおうとは思っていない。
        いつか、「ああ、Rさんが言ってたことってこういうことなんだな」と気付く日が、きっとくるから、そうやって自分がものを分かってきたこと、つまり、そこまで来たんだ、と
        道しるべ的な意味合いでしかない。

        成長の確認をして欲しいだけなんだよね。
        同じ道を通ってきた人間として、「とりあえず、ココまでおいで。多分、これに気付けたら、方向性はあってるよ」というか。

        時間がかかる人もいれば、割と早くたどり着く人もいる。
        私は、ああやれ、こうやれいうのが好きじゃない。
        自分で勝手にやるがいい、というか自分で考えてみ、というスタンスの後進指導をするので、何でもかんでも聞いてくる後輩は、突き放す。自分の意見を持ってやってきた人だけを相手にする。

        この前、割と早く、私の言っていたことに気付きはじめた後輩が言っていた。
        「俺、新卒の頃、Rさん怖かったんですよ。だって、自分の意見を持っていかないと、すごく冷たくて、試されている気がして緊張した」と。

        「今考えてみると、俺、相当色々バカなこといってましたよね。恥ずかしいっす。」

        そうなんだよね。結局は、人に言われたって、スルーなんだよ。
        自分で気付かなきゃいけない。分かるんじゃなくて、気付くことが大事。
        この後輩は、上司とかは煙たがってたけど、優秀だったので結構目をかけていた。まぁ、生意気だったけどね(爆)一応、かわいがってたのよ。
        大人になってきたので、今は同僚という認識で、対等に話していますけどね。

        この本の内容を分からせるために、使っているのが解せないなぁ。
        これを読むのはもうちょっと後で良いと思うのだが。
        後進指導に使う本じゃない、と私的には思った。

        まぁ、読み物としては面白い。
        少なくとも、実用書でないことは確か。
        そこを間違えないでください。


        JUGEMテーマ:読書



        2009.01.24 Saturday 22:34

        ナショナル・ストーリー・プロジェクト/ポール・オースター編

        • Author : R
        • 0
          事実は小説より奇なり。
          芸がない表現でスミマセン(笑)

          でも、この言い古された言葉が一番ピッタリ来る。

          人生の中で1つや2つ誰しも、こういう経験をしているのではないだろうか。
          運命的な出会いや再会、そんなバカな!といいたくなる、不運や幸運。

          そういう人生の不思議みたいなものが詰まっている、人々の物語。
          すべてが実話です。

          この本は、ポール・オースターがホストを務めるラジオ番組に寄せられた、
          投書をまとめたもの。
          読み出したら、止められなくなります。
          次はどんなことが起こるのか…とページを繰る手を止めることが出来なくなります。
          恐るべき吸引力(笑)

          ちょっと「おかしな人」を書かせたら天下一品のポール・オースターらしい編み方になっています。
          そして、最後には「人生はこれだから面白い」と思える作品です。

          私的には、「七十四丁目のダンス―一九六二年八月 マンハッタン」が一番、気に入った。なんと言って良いかわからないけれど、私にとってはとても美しい光景に見えた。
          まるで、自分が主人公で窓から下を見下ろしている気分になるくらい、その光景が見えた。そして、「なんかいいなぁ」と思った。

          気取らない美しさ。
          そこには生身の人間がいて、愛情やら生活やら音楽やらダンスやらが一緒くたになって、
          人の生活を築いている。ただ、それだけで美しいと思える情景。

          また、「戦争」の章は人の生き死にを含め、「人間の底知れないパワー」のようなものを感じ、畏怖を感じるとともに、人もまた動物、という変な考えに囚われた。
          植物が太陽と水からエネルギーを得て、美しい花を咲かせるように、人もまた奇跡を起こすことができる存在なのだ。

          科学だけでは、「生」は語れない。
          「シェルドレイクの仮説」をまたも思い出した。

          共鳴。

          これもまた「生の不思議」の1つではないだろうか。
          何でも科学で立証する必要性などない。

          そう、何が起こるかわからないから、明日が待ち遠しくなり、人生が楽しくなるのだから。

          非常にオススメです。

          第2巻↓



          JUGEMテーマ:読書



          2009.01.19 Monday 00:08

          夜は短し歩けよ乙女/森見登美彦

          • Author : R
          • 0
            評価:
            森見 登美彦
            角川グループパブリッシング
            ¥ 580
            (2008-12-25)
            一言で言うなら「かわいい」。
            とにかくかわいい小説である。

            語り口調からすると、設定は昭和初期か?という感じだけれど、実際は現代。
            文体でこんなに印象が変わるものか、と関心させれる。
            でも、この文体が、この摩訶不思議な恋物語には必要なのだ。
            普通に現代の口語調で書かれたら、この物語の神秘性、いや、黒髪の乙女の神秘性は半減。つまり、イマイチな小説になってしまうのだ。

            まぁ、神秘性というよりは…真性の天然ボケのような気がするが、そんな不思議ちゃんに恋した大学生が、彼女とお近付きになろうとして、なんとも迂遠な方法で彼女に接近していく。けれども、全然イライラすることなく、いうなれば、「彼女の見えないところでジタバタしている純粋な青年」といった感じで、非常にほほえましい。

            とにかく、黒髪の乙女も、先輩も実在したら突っ込みどころ満載の「愛すべき人物」なのだ。他の登場人物も皆個性的で、一人として立派な人間が出てこないw
            自堕落で人間臭い、どうしようもない人たちだけれど、常識なんてどこ吹く風、飄々とした魅力的な人たちばかり。とにかくゆる〜いのだ(笑)

            かわいいものは、基本的に「ゆるい」。
            ココまでゆるい人しか出てこないと、可愛くならざるを得ない(爆)
            作者が男性とは思えない、メルヘンというか、ファンシーというか、ほっこり温かい小説なのである。

            この小説に妙な(笑)力を与えている、民俗学的な摩訶不思議な情景は、大塚英志の『木島日記』を思い出す。
            あの小説が大好きだった私にとっては、当然、好きの部類に入る作品だけれど、
            そもそも、この小説を読もうと思ったのが、出張中の暇つぶしだった。
            大阪の本屋でかなりスペースを取って平積みになってたので、何の気なしに手に取っただけ。本屋さん大賞にランクインしてたのは知ってたんだけど、そこまで話題作ったっけ?と思いながら買ったんですが、「あたり」でしたね。
            (山本周五郎賞、本屋さん大賞2位、2007年直木賞候補作)

            黒髪の乙女と先輩の冒険という感じで、続編が出たら良いのになぁ、と思ったとさ。
            ちなみに、あとがきは、「ハチミツとクローバー」でおなじみの羽海野チカさん。イラストで「あとがきにかえて」となっていますが、コレが、またかわいい。
            この小説のイメージとピッタリです。
            オススメです。

            JUGEMテーマ:読書



            2009.01.12 Monday 23:33

            ミスター・ヴァーティゴ /ポール・オースター

            • Author : R
            • 0
              評価:
              ポール オースター
              新潮社
              ¥ 740
              (2006-12)
              ポール・オースターの作品にしては、読みやすい?というか分かりやすい作品。
              初めてポール・オースターを読む、という方はこの作品を入り口にすると良いかと
              思います。

              「空を飛ぶ少年」というタイトルにすると、お伽噺になる。
              でも、この作品のタイトルは「ミスター・ヴァーディゴ」つまり、「ミスターめまい」となるわけだ。

              空を飛ぶ少年の末路というか、お伽噺のような話は、お伽噺で終わらず、
              その後の現実まで書くのが、ポール・オースターである。

              「あの人は今」「あのスプーン曲げ少年は今」に類する、週刊誌のコマ埋め記事みたいなストーリーを「ある少年の人生」として描く。
              ちなみに、私は大人になってから、スプーン曲げ少年と知り合いましたが…、その話については仲間内でもタブーのようになっていて、あまり触れない話になってましたね。
              フツーのお兄さんでした。

              良心に先立たれ、貧乏で薄汚い性根を持つ伯父伯母に養育され、路上で悪事の限りを尽くしていた少年ウォルト。
              ある日、イェフーディという謎の紳士に拾われる。
              3年の修行を経て、少年は「特別な能力」を体得し、やがて一躍時の人となる。

              ココまでなら、努力は報われるという楽しいハッピーエンドのお伽噺だ。
              けれども、ココでは終わらない。

              人は、どんなことがあっても生きていかなければならない。
              大切な人と死別しようが、挫折を経験しようが、金がなくなろうがなんだろうが。
              始終腹を減らし、小さくみすぼらしく生きていた少年は、やがて成長し、栄華を極めたのち、普通の人生を生きていく。これだけ、人生の中でアップダウンがあれば、退屈もしていられないだろう(笑)

              本当に人生は予測が付かない。
              ラクに生きられる人なんているんだろうか?
              いや、ラクに生きたいと願うからこそ、皆、あの手この手を駆使して、ラクに生きられそうな何か、名誉、権力、お金云々を得ようとして、つらい人生を選んでいく。

              今よりも上に。

              ウォルトもそう願い、イェフーディ師匠についていったではないか。

              最後の一段落で、ウォルトは「あなたに力はある。だからそんなに力まずに、力を抜いて生きろ」と言っているような気がしてならない。自分を捨て、流れに身を任せる、時にはそんな時があっても良い、頑張りすぎることはないさ、というか。

              人生では何が起こるか、本当にわからない。
              今、隣りにいる人ですら、出会おうと思って出会った人じゃない、という現実をみればわかる。一生は長いようで短くもあり、短いようで長くもある。
              私も気が付けば、35歳。あっという間だった気もするし、長かった気もする。

              今のところ、よくもないけど、そう悪くもない人生。
              これから先、また予測不可能なことがたびたび起こり続けるだろう。
              人生は、不思議の連続なのである。

              もちろん、悪い方にいきかけたら、ウォルトのように引き返す努力も必要だけどね。
              イェフーディ師匠の夢がわれに返らせる。不思議でもあり、イェフーディ師匠にとっては実は不思議でもなんでもなく、ウォルトという少年の人生に深くかかわかったからこそ、
              起こりえたこと、そう、それは「人と生きる」ということなのだ。

              軽いタッチで読みやすく面白い。でも、深いお話。
              オススメです。

              なんか、支離滅裂な文章だなぁ。。。
              久しぶりだからと、寝起きだからかw
              気をつけます(笑)

              JUGEMテーマ:読書



              2008.12.01 Monday 00:59

              合衆国再生―大いなる希望を抱いて/バラク・オバマ

              • Author : R
              • 0
                評価:
                バラク・オバマ
                ダイヤモンド社
                ¥ 1,995
                Newsweekの選挙戦特集を読んで、オバマ氏に非常に興味を持ち手に取った一冊。

                Newsweekの特集から見ると、なるべくして大統領になった、というイメージを持ったからなんですね。なんか、すごい変り種が出てきたな、と思って。

                アメリカの大統領選挙戦は、選挙戦で既に大統領の資質が問われる。
                アメリカは、チームで仕事をする。だから、「チームを統率し、国民の支持を得る」という力が試される。

                ヒラリーもマケインも結局は、「チームを統率する」ことが出来なかったから、支持を得ることが出来なかった。言ってしまえば、オバマ氏の一人勝ちみたいなものだ。

                この本を読んでもやはり「理想論」に近いところでビジョンが展開される。
                そして受ける印象は「至極真っ当な人」。
                当たり前のことを言っているだけなのかもしれないけれど、こと政治になるとそれが理想論になってしまうのは何故なのだろう。

                理想といっても、大きなことを言っているわけではない。
                言い換えると、本来あるべき姿なんですね。
                政治家の打算や欲や力関係などが働かなかったら、こうなってるはずだよね、という感じ。

                「こういう現状があって、それにはこういう問題があって、これを解決するにはこういう考え方をして、こういう風にしたらどうだろう」と非常に分かりやすい論理展開をする。
                それは、偏ってないか?とか、それは無茶だろう、思えることもなかったので、
                納得がいった。もちろん、簡単にやれるという意味ではなく、簡単なことではないけれど、全く無理、ということでもないということですが。

                なんとなく、実現可能のような気にさせられた、という感じですかね。
                演説の名手というだけあって、話が上手い。

                とてもバランス感覚が良い人のような気がした。

                こういう人が大統領になれる国、と思うと、アメリカは大人の国だなぁ、と思わずにいられない。やはり国民が選べるっていうのは、いいですね。
                自由の国を標榜するだけあって、懐が深い。

                日本では、こういうタイプの政治家は政党政治の中で潰されてしまうでしょう。
                何も分かっていないのに、分かった風な口を利く古参議員にやられちゃう。
                麻生太郎みたいなのが首相をやってるようじゃ、日本は何も変わらないし、落ちぶれていくだけ。

                大国になることが出来た日本だから、本来はそういう資質みたいなものを持っている国だと思うんだけど、ちゃんとした人が出てこないのは何故なんでしょうね。
                戦後から日本は何に向かって進んできたんでしょうか。

                隣の芝生が青く見えてるだけ、というのはモチロンあると思うけど、アメリカは本当に強い国というか、層が厚いなと思う。
                大恐慌以後、未曾有の金融危機を抱えているアメリカで、今このタイミングでオバマ氏のような人が出てくる、というのが本当に面白い。
                救世主になれるかどうかは未知数ですけれど、少なくとも希望がある。

                日本も当然、不況に落ち込んでいるわけで、私自身も社会人になってから今が一番「不況」を体感していて不安なわけですが、今の政治家に対処できる人間がいるとは、到底思えない。

                経験不足、外交経験不足とか有識者はオバマ氏のことを言うけれど、国民はそういう詳細って実はあまり考えていないと思う。
                大統領経験なんてそうそうできるものでものないし、みんな未経験からはじめているわけだから、「この人なら大丈夫」って言う人はいないわけです。
                経験というなら、じゃあ、ブッシュはなんでサブプライム問題を事前に対処できなかったんだ?って話になる。

                国民が欲しいのは、明確なビジョンとプラン、考え方の方向性でしかないのではないかと思います。要はどれだけ期待できるかなんですよね。
                国民だって、バカじゃないから全部を何とかできる人がいるとは思っていない。
                国際情勢なんて、本当にコロコロ変わるし、誰も分かる人なんていないんだから。
                9.11を予測していた人がいたか?って話ですよ。

                有識者っていうのは、とかく批判しがち。
                まだ就任もしてないのに(笑)

                当然、失敗はあるでしょう。
                でも、オバマ氏は明確なビジョンを有する人なので、大筋をはずれることはないんではないかと思う。
                この本には、サブプライムについては記載がなかったから、わからないのでどう対処しようとしているかは非常に興味があるところだけれど。

                以前も書いたと思うけれど、私はストイックな人がとても好きです。
                ま、自分が持とうとしてもなかなか持てないものなのでね。
                私が好きになる人は、大抵何かに対してストイックな人です。
                前の前の彼氏は音楽、前の彼は仕事、今の彼も仕事。
                この本を読んでいると、オバマ氏のストイックさは並外れていると思う。
                すごいなぁ、尊敬してしまう。

                少し前に、フィリップ・マグローの『史上最強の人生戦略マニュアル』を読みましたが、
                これを地で行っているのがオバマ氏なんですよね。
                自分を知り、自分を管理する。ストイックの王道ですね。

                彼自身、挫折も味わっているし、自分が恵まれた立場の人間であることもしっかり理解している。それでも、諦めることなく、他人を無視することなく、私が今抱えている試練の数百倍もの試練を乗り越えて、大統領になったのであろう、ということが容易に想像できる。まぁ、比べること自体おこがましいけど、自分が与え得る影響の中で、一番大きいものであること、という意味では一緒ではないかと、勝手に思ってます。

                私は今本気でキツイ。過重ミッションで、押しつぶされそう。しかも、2つも大きなミッションを抱えている。1つは、会社の進退に直結するくらいのもの。
                他人のことを思いやれる余裕なんてありゃしない(笑)
                逃げ出したいと思っているし、自分の不甲斐なさ、甘さに辟易してへたり込みそうだったりする。

                そんな時に、この人に出会えたのは幸運だったかもしれない。
                「諦めない」「立ち向かう」昔はあったはずなのに、いつしかどこかに置き忘れてしまった、自分の資質を捜し求めている日々。
                「ちゃんと向き合え」と自分に言い聞かせる日々。

                結局は、「自信がない」し「失敗が怖い」から、尻込みをしているに過ぎない。
                大きなことを成し遂げるには、超えなくてはいけない壁を前に弱気になっている。
                自分が積み重ねてきたことが、気付いたら会社として大きな打ち手になっていて、
                そのスキルを持っているのが「私しかいない」という恵まれているような、そうでないような状況。

                全く甘えが許されないのだ。

                これは私が「こうあるべき」という原点を突き詰めた結果、起こったことである。
                誰よりも先に、原点の重要性に気付き力を入れてきた自分の先見性には、自信を持って良いと思っている。

                この先を乗り切る、勇気を持ちたい。

                明日から最前線に出る。
                「失敗すると思ってやると、失敗する」
                望んだ結果がやってくるのは、今までの経験からも分かっている。
                「成功するための動きをする」
                そう自分に言い聞かせるしかないのだ。
                結果を選ぶのは「自分」であることを肝に銘じる。

                オバマ氏の生き方は、人を巻き込む生き方だ。
                現に私も巻き込まれている(笑)影響力がある人、つまりカリスマなんですよね。
                アメリカが再生し、日本もまた上向きになることを願うばかりだ。

                本当にこういう時期にオバマ氏のような人が大統領候補として存在するアメリカという国はラッキーだと思うし、人種差別問題と戦って来た国が、人種を度外視して彼を大統領に選ぶ、非常に良識と度量がある国だと思う。

                別に私は親米でもなんでもないけれど、純粋に羨ましく思う。

                今後も、彼の動向は追っていきます。
                そして、私も踏ん張る!(笑)

                JUGEMテーマ:読書



                2008.11.25 Tuesday 00:26

                彼女について/よしもとばなな

                • Author : R
                • 0
                  評価:
                  よしもと ばなな
                  文藝春秋
                  ¥ 1,250
                  (2008-11-13)
                  悲しい。
                  ハッピーエンドと言って良いのか。
                  幸せの魔女の復讐。

                  ばななさんの作品は、大切な人を大切だと思い出させることがある。

                  その人のことを四六時中、大切だ、と思っているわけではなくて、特に親や兄弟はあまりに長い時間一緒にいすぎて、そう思うことが稀だったりする。

                  忘れたままでいてはいけない思いを、思い出させてくれるのが彼女の作品だったりするわけだ。

                  「ばななワールドの新境地」と帯にはあるけど…確かに新境地です。
                  でもなぁ…私には、悲しすぎた。

                  救われない魂の救済とでも言いましょうか。
                  輪廻転生に思いをはせ、次こそ幸せな家庭に生まれることを夢見る。

                  無辜のまま失われる魂が、救われないまま漂うのも悲しい。
                  その魂を救う話は確かに美しい。
                  でも、実際には今この瞬間も無辜の魂は失われているかもしれなくて、その魂が救われることはあるのか、とも思ってしまう。

                  失われてしまったものは、取り戻せない。
                  なぜなら、殆どの人間は魔法使いにはなれないから。
                  今この瞬間に失われようとしている無辜の魂を救うことは、私には出来ない。
                  私に出来るのは、これから失われないように努力することだけ。
                  それでも、私の掌をすり抜けていく魂は五万とある。

                  確かに美しい話ではあったけれど、後味の悪さも残った。
                  無性に寂しくて、彼氏に電話をしたくなったけど、読み終わったのは深夜。
                  どうすることも出来なくて、読みかけのバラク・オバマの『合衆国再生』に戻る。
                  私は希望のある話が好きなんです。

                  好みの問題で星3つ。

                  JUGEMテーマ:読書

                  2008.10.14 Tuesday 20:58

                  仕事力

                  • Author : R
                  • 0
                    評価:
                    朝日新聞広告局
                    朝日新聞社
                    ¥ 1,470
                    (2005-06-16)
                    積読中の一冊。
                    今更ながらの読破です(笑)

                    本には「必要としている人に声をかける」という特性がある。
                    突飛な話のようだが、この経験をしている人は非常に多く、肯定する人が多いのも事実。
                    私くらい読んでいると、そんなことはしょっちゅうで、大概必要な時に必要な本を手に出来る。殆ど、特技と言っても良いくらい。

                    まさに、この本はその特技で読んだ一冊です。

                    多分、今、私は仕事人生の転機を迎えているんだろうと思う。
                    今期、全社的な大きなプロジェクトを任された。
                    ココまで大きなプロジェクトは経験がない。
                    しかも、会社としてノウハウもなく、当然、できる人間もおらず、すべて0からのスタートとなる。

                    与えられたのは、権限と社員より実務能力があるアルバイトの男性。
                    協力者から何から、すべて自分で募れ、というもの。

                    直属の上司も、上から言われたのは「大きく花を開いてもらおう」ということだけらしい。会社として、一介のメンバーに過ぎない人間にコレだけのプロジェクトを任せたことはない、と記憶してる。

                    なんで?(笑)

                    私はブレた。
                    良くも悪くも解釈をして、揺れた。
                    そして、会社を休んでまで考えたw

                    そして、思ったのは「これはチャンスなんじゃないか」と。
                    正直、直属の上司は全く当てにならない。
                    それでも、まだ一介のメンバーに過ぎない私には、上司という安全弁がある。
                    いわば、楽な状況で力を試し、伸ばせるチャンスなんじゃないか、と。

                    恐らく、今回のミッションは、普通の考え方をしていたら、何の変化ももたらすことは出来ない。自分の仕事に対する考え方からすべて変えないと、即ち失敗する。

                    仕事に対して自信がない、と思ったのは正直、この会社に入って初めて、というか、社会人人生で初めてかもしれない。今まで仕事で大きな失敗をしたことがなく、過去に持った2つのプロジェクトも成功している。10割打者だったわけで、自分が積み重ねてきた経験とスキルに自信があったし、先例を探せば、それをやれている人間もいた。
                    ただ、今回は違う。

                    恐らく、今の会社でコレが出来るのは私しかいない。だからこその人選だと思いたい。
                    私が一人、そこに活路を見出し、営業時代からコツコツと積み上げてきたものが、時代の変化とともに需要が大きくなり、会社の関心ごとになった。

                    ただ、私としてはまだ、積み上げている最中で完成形ではない。
                    つまり、今までみたいに絶対的な自信がないのだ。
                    だから、怖い。だから、ブレる。

                    でも、やるしかない。

                    前置きが長くなったが、そこで、数日前から本棚から私にウインクを送っていた(笑)
                    この本を手に取ったのだ。

                    この本で取り上げられているのは、いわば時代の先駆者たち。
                    今の時代を作ってきた人たち。名だたる有名企業の社長、芸術家たち。
                    彼らの話に説教臭さはない。ただ、起こったこと、考えたこと、思っていることを述べているだけだ。

                    全編を通して読んでみると、ある人はこれが大事といい、ある人はこれは大事ではない、といったりする。
                    それでも、全員に共通点がある。

                    哲学・課題・実現したい何かがある。
                    そして、それは会社という枠組みの中にはない、ということ。
                    会社の経営理念と言ってしまえば、それまでかもしれない。
                    けれど、その理念は、本人たちの口から語られると、説得力を持ち「欲求」に突き動かされているのが、つぶさに見える。

                    そして、それを実現するために「諦めない」。
                    忍辱について語る経営者が2人いた。
                    会社という組織で、会社の外にある実現したい何かに挑んでいる、というのが全員に共通していることのように思う。

                    いわば、彼らにとって会社という組織は「自己実現」のためにある、器に過ぎない。
                    その中で働く人たちは、それを実現するための協力者の集団。
                    中身がなくては、器は用を成さない。

                    仕事をする時間は、人生の大半を占める。
                    そんな膨大な自分の貴重な時間を費やして仕事をするのに、昇進のため、給料を貰うため、少しでも人より良い生活をするためだけに仕事をする、というのはあまりにも無駄が多く、利己的であるように感じた。

                    幸せな仕事人の人生は、楽しく働き、人に評価され、それに見合った稼ぎが得られることに尽きるように思う。
                    つまり、人生を充実したものにするために、仕事という時間を費やす、という考え方が逆説的ではあるが、正しい気がする。

                    すべてがそろわないから、人は仕事に不満を感じ、愚痴を言う。
                    では、揃えるためにはどうすれば良いのか。
                    「良い仕事をすることである」

                    良い仕事とは何か。
                    それは、自分が生み出すものではないだろうか。
                    既存のもので満足できないのであれば、自らが作り出す。
                    それも、自分だけが満足するものでは、評価は得られない。
                    多くの人を巻き込み、多くの人を幸せにすることが、「評価」につながっていくのではないだろうか。柳井正氏はいう「自分の評価は、他人にしか出来ない」

                    結局、大きな視点にならざるを得ないのだ。
                    「利己利他主義」を挙げた経営者もいた。今の言葉で言い換えれば、「WinWinの関係」ということだ。世の中を良くしたい、という思いが、個人個人の得意分野で発揮され、大きな仕事になって行った、というのがこの本に挙げられた経営者たちの共通点ではないだろうか。

                    ファーストリテイリングの柳井正氏は「先に課題ありき」という。
                    実現したい、克服したいという思いが仕事を作り、結果を作っていくのだ。
                    そして、その視点が大きければ大きいほど、大きな仕事になっていく。

                    私で言えば、営業、クライアントが課題ではなく、私の会社のステークホルダーを幸せにしたい、つまりそれは世の中の人を幸せにしたい、とどれだけ思うかにすべてがかかっている、と思う。
                    たまたま、いや、これは志望動機だったか。
                    私の仕事はまさに世の中の人の「仕事」と直結している。
                    仕事を通して、よりよい人生を築いてもらいたい、という思いが今の会社を選んだ動機ではなかったか。

                    今回の仕事は、今の会社への志望動機、やりたいことへ直結している。
                    そして、私自身は忘れていたけれど、結果としてそこへ行き着いてる。

                    結局、自分のやりたいことに行き着くには、それを突き詰めていくことでしかないのかもしれない、と思い始めている。人は自分の思った方向にしかいかない、ってことだ。
                    そう考えると、天職っていうのは、見つけるもんじゃない、見つかるものなのかもしれない。思いも寄らないところに、あるのかもしれない。

                    まぁ、まだ、私はこれが天職だと思えてないけど(笑)

                    これが天職かどうかもわからない。コレを超えたらまた何かが現れるかもしれないですから。

                    ただ言えることは、この「プロジェクトを成功させる」そのためにはどうしたらいいか、考え、やり続けるしかない。それが最良の手段だと思えた。

                    こう思った時、全くの白紙で途方に暮れていたはずなのに、アイディアが次々と出てきた。このアイディアが正しいかどうかはわからない。
                    でも、プロジェクトを成功させるという思いがあれば、そこに照準があっていくのではないか、と楽観視している自分もいる。

                    ま、根が楽観主義ですからね(笑)
                    でも、楽観することと、甘く考えることは違う。

                    稲盛和夫氏もいう「新しい仕事に取り組んでみようと考えるとき、最も大切なのは成就させるのだという強い燃えるような意志である」
                    「仕事で思わぬことが起きるのは当然です。その上で「こうありたい」「こうでなければならない」と自分の魂の奥底からほとばしり出る夢へ向かって進んでください。そして、必ずできると信じること。人間は信じていないもののために努力することは出来ないのです」

                    つまり、覚悟と意志と熱意が重要なのだ。

                    あれだけ、休みの日に仕事のことを考えるのを嫌がっていた私が、ずっと仕事のことを考えていた。これは、既に仕事ではなくなっている、ということだと思う。
                    気付けば、仕事を超えた「自分自身のための何か」に変容していた。

                    考えてみると、20代の頃の自分ってこうだった気がする。
                    いや、営業時代の自分もそうだった。
                    どうして、今のようになったのか。いわゆる、会社の目標だけのために仕事する自分。
                    給料が安いといい続ける自分。他人が出来ないことをやるだけで満足していた自分。そこに仕事人としての思いはあったか。小手先のスキルでお茶を濁していなかったか。過去の自分の栄光に酔いしれていなかったか。

                    営業を止める頃に見失ったものがある。
                    「何のために仕事をするのか。」
                    休み返上で仕事をして目標を達成しても、目標値ばかりが上がるだけで、給料は安い、昇進はしない。片や、あとから入ってきた売れない営業の方が給料が高い。その人たちに指導をしている自分。

                    何をしたら評価されるのかが分からなくなった。
                    そして、体を壊し、力尽きた。

                    会社に対する不信感、諦め。
                    それは今もぬぐえない。

                    でも、今回は、本部長も認める重いミッション。
                    つまり、白黒ハッキリする仕事でもある。

                    力を注ぐ価値がある。
                    そして、何よりも新しいスキルを身につけるチャンスなのだ。

                    「自分のために仕事する」
                    考えに考えた結果は、コレである。

                    この本は、私にとって、単なるハウツー本以上の力を与えてくれた。
                    突き抜ける勇気。
                    中村勘三郎氏すら「はじめの一歩は怖くて当たり前」という。
                    簡単に世の中を変えてきた人などいない、ということであろう。

                    突き抜けた人にしか語れないこと。
                    正直、理解できない部分もあった。
                    それは、私がまだ到達していない領域なのだろう。

                    この本は、今後の仕事人生の中で、ことあるごとに読み返す一冊になるだろう。

                    女35歳。
                    この本で、テクニックとかそういうものではない「仕事」そのものをについて考え直す、良い機会に恵まれた。多分、私は良いコースを進んでいると思う。会社で、ということではなく、仕事人として。

                    この本が存在することに感謝したい。
                    仕事に行き詰った人にオススメしたい一冊。
                    仕事への考え方を変えられる本。
                    恐らく、今自分が悩んでいることが、非常に偏狭で小さいことと感じられるでしょう。
                    そのことによって、「まだやれる」と思える自分に出会えるはずです。

                    JUGEMテーマ:読書



                    2008.10.12 Sunday 02:28

                    灰色のピーターパン―池袋ウエストゲートパーク6/石田衣良

                    • Author : R
                    • 0
                      もう、この作品は、文庫になったら絶対読む、というのが通例になってます。
                      今日、何の気なしに本屋に行ったら出てたので、迷わず買い。

                      やっぱり、まこっちゃんは良いね。一気に読破しました。
                      今、私自身、ちょっと行き詰って右往左往していたところであったんだけれど、
                      真のまっすぐな言動で元気というか勇気が出た。
                      私がこの作品を読み続ける理由の1つにこれがある。

                      この作品は、相変わらず面白いけど、読む理由が作品の善し悪しと関係ないところにあるので、評はあえて書きません。

                      強いて言えば、「自分以外のものに評価をゆだねてはダメだし、行動の根拠は自分になくてはいけない」ということを思い出させてくれた。
                      人の評価など気にしてたら面白ことが出来なくなるってこと。
                      やるべきことはやる。ただし、誰のためでもなく、自分のためにね。
                      そのためには、否定を恐れちゃいけないってことも。
                      型にはまりかけてた自分に気付けてよかった。

                      ま、面白いことは間違いないので、慣例としてオススメします(笑)

                      JUGEMテーマ:読書



                      2008.10.12 Sunday 01:51

                      人の砂漠/沢木耕太郎

                      • Author : R
                      • 0
                        評価:
                        沢木 耕太郎
                        新潮社
                        ¥ 740
                        (1980-12)
                        文庫の最後にある紹介ページを読んで(私はこのページが実はすごく好き。売れ筋じゃないけど、思わぬ良書に出会えることがままある)、何の気なしに買ってみた本。
                        考えてみると、沢木耕太郎氏の本は何の気なしに読んでいるなぁ(笑)
                        そして、驚かされる。

                        『深夜特急』もそうだった。
                        旅は嫌いじゃないけど、積極的にもしない私。なので、旅行記には興味がないから、普段は読まないジャンル。何の気なしに読んでみたら、心底面白くて、6巻を手に取った時は「ああ、もう旅が終わってしまうのか…」と妙な寂しさを感じたことを覚えている。

                        そして、今回。
                        感想としては「この人はすごい」

                        この本の初版本は昭和52年1月。私がまだ4歳の時である。
                        内容は、戦後の昭和のルポ。
                        登場人物が、元売春婦や穀物取引所の場立だったり、仕切場や天皇への不敬の話だったり。孤老死は今も問題になっているけれど、時代背景が全然違う。
                        つまり、私が知らない時代の話なのだ。

                        それなのに、だ。
                        読んでいると、今の時代の出来事のように錯覚してしまうのだ。
                        ルポは時代を描くもので、後の世代にとってはあまり興味がない話になることが多いのに、これはどういうことなのか。

                        小説では良く「普遍性」についてが論じられるけれど、ルポタージュにもそんなものがあるんだ、と思わずにいられなかった。この人の感性はどうなってるんだろう?

                        このルポで取り上げられいる内容は、多分、私が同時代に生きていたとしても、あまり興味がなかったのではないかと思う。
                        でも、私はこの本を一気に読み、「面白かった」と思い、人に薦めたいと思い、ブログに書きたい、と思った。

                        間違いなく、沢木氏の目線と筆力の成せる技だろう。
                        後年にまで残る数少ないルポ、「歴史の記録」というところに行き着いている、と思う。そして、ある人の生き方だったり、ある人が起こした「結果」に対する「過程」が物語として成立している。人物史のように。でもそれは、偉業を成し遂げた人でも、有名人でもない、市井の人なのだ。

                        その市井の人は、今の時代にも、状況は違っても恐らく同じような人はいるだろう、いや、意識しなかっただけで、私自身が生きてきた中で、もう出会っている人なのかもしれない、そんな気がする。
                        特異な人たちを取り上げているはずなのに、その人たちは今の時代も生きている。
                        形を変えて、器を変えて。
                        そう、人間的な普遍的な部分に行き着いている作品なのである。
                        そういう作品だからこそ、30年以上経ってもきちんと私の手に届いた、ともいえる。

                        この作品には、素材に対する真摯な目線があり、真実に辿り付きたい、という欲求があり、ジャーナリズムの原型があるように思う。
                        少なくともその思いは、私の胸には届いた。彼のルポには間違いなく、読者を引きずりこみ、共感を引き出すパワーがある。

                        素晴らしい作品だと思う。
                        彼の目線で時代を切り取ったらどうなるのか、と楽しみにさえ感じてしまう。
                        そして、時代を映す鏡として何を素材として選ぶのかも。
                        小説やエッセイなんて齧らないで、ひたすら、ルポに徹してほしい人である。
                        (小説はいただけなかった…汗)

                        非常にオススメです。
                        彼のルポは全部読みたいですね。
                        私はルポライターとしての沢木耕太郎氏を尊敬します。

                        JUGEMテーマ:読書

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